死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?258より
885 :本当にあった怖い名無し:2011/03/27(日) 02:22:42.81 ID:wF+rFQBE0
ひさゆき?ヒサルキ?
そういうのがネットの都市伝説っぽくなってるみたいですね。
私も昔の記憶の中にその名前覚えがあります。
動物好きな人には不快な話。飛ばしてください。
886 :885-2:2011/03/27(日) 02:23:57.93 ID:wF+rFQBE0
私の家では昔から猫を飼っているのですが、
そろそろ避妊手術を、と思っていたメス猫が家出をしてしまって、
帰っては来たのですが、妊娠してしまいました。
それで仔猫が生まれて、私と弟は必死になって貰い手を捜したんです。
小学校の生徒に学年構わず「猫いらない?」って聞きまくりました。
そして6匹生まれた仔猫は、だんだんと貰い手がつきました。
子供全部もらわれるのは母猫がかわいそう、ってことで、一匹だけ家で飼うことになったんです。
子猫たちもおっぱいからご飯になって、トイレも自分で出来るようになって、いよいよ一匹二匹と貰われていき、
うちで飼う事になった一匹除く、オスメスきょうだいの仔猫二匹も、ある日、急にお迎えが来ました。
猫を迎えに来たのは見知らぬ男の子でした。その時間、家には私と弟だけでした。
「Aが貰ってこいといった」と彼はやってきました。たぶん5年生くらい。
私が6年で弟が4年。どちらとも同級生では無かったので、それより上にも下にも見えない。
だからAさんの5年生の弟なんだ、そう思ったんです。
887 :885-3:2011/03/27(日) 02:24:53.83 ID:wF+rFQBE0
Aさんとは同級生でしたが、普段あまり話したことはなく、
その弟が説明もなしに私の自宅まで急に来たので、よく家がわかったなぁと不思議には思いましたが、
その時はそれだけでした。
男の子は仔猫を見て、うれしそうでもなく箱に入れて帰りました。
すごく嫌な感じがしました。
翌日。学校へ行った私は、Aさんに猫の事を聞いてみました。「どうしてる?」って感じで。
するとAさんは、何故か私を避けるように、適当な返事をして何処かへ行ってしまいました。
それから話しづらくて、何週間か経ってしまいました。
せっかく猫もらってくれたのに、変だなぁ、可愛がってもらってるのかな?と、とても気になりました。
そのころ私は持病があって、週に2回病院に行く為、学校を抜けて母と街を歩いていました。
ある日、クリニックに近い繁華街を歩いていると、
母が「あ、Aちゃんいるよ。学校どうしたんだろう」と言いました。
見ると、Aさんとあの男の子が歩いていました。
男の子が先になってどんどん歩いて、Aさんはしょんぼりと歩いていました。
その男の子が振り返って、Aさんの頭を殴りました。
私の母の顔色が変わって、Aさん達のところに駆け寄ると、
「あなた、何してるの?この子叩いて。Aちゃん今日学校どうしたの?」などと問い詰めました。
男の子はびっくりするような声で、「ババァ」とか「殺す」みたいな捨て台詞で、逃げていってしまいました。
Aさんは泣いてるし、何か事情ありそうだし、無理に家に連れて帰るのも、と、
私たちは3人で、近くの喫茶店に入りました。
888 :885-4:2011/03/27(日) 02:25:38.27 ID:wF+rFQBE0
「あの人だれなの?どうして一緒だったの?」
Aさんは下を向いて何もいわないので、
「あの子はAさんの弟だよ」と代わりに私が答えました。
すると母はすごい目で私を睨んで、
「バカなこと言うんじゃないの。あの人は大人の男の人でしょう」
びっくりしたのは私のほうでした。母なにいってるんだろう?と思いました。
「Aさん、あの子は弟だよね。猫とりに来たもんね」
すると母は、
「なにアンタも知ってる人だったの?なんなのあの人?説明しなさい!」とか怒り出しました。
Aさんは私の母に、「一緒にトイレに行って欲しい」と言いました。
泣いてばかりなので、仕方なくAさんと連れ立って母はトイレに行きました。
随分長く二人は帰ってきませんでした。
私も不安になり、もう限界だーっと思った頃、母とAさんは席に戻って来ました。
Aさんも母も青い顔をして、何も話さず、店を出て、
家に帰るのかと思ったら、私だけ家に置かれ、母とAさんは何処かへ行ってしまいました。
母が帰ってきて、私はAさんのことを尋ねました。
「あの人は親戚なんだって。一緒に住んでいるらしい。でもおかしな人だから、あんたは絶対関わっちゃダメ」
と言いました。
「何年生?」と聞くと、「だから子供じゃないって言ってるでしょ!」と怒り出し、
私はそれ以上何かを聞く事は出来ませんでした。
890 :885-5:2011/03/27(日) 02:26:47.15 ID:wF+rFQBE0
そのことがあってすぐ、ある朝、うちの玄関に仔猫の首が置いてありました。
見覚えのある、あの男の子にあげた猫たちでした。
でも、うちにいた兄弟猫はもっと大きくなってる。
玄関に置かれた猫の首はまだ小さく、貰われたときと変わらないほどでした。
両親は学校に電話したり、なにか相談しあったり、家の中がおかしな空気になりました。
そんな時、弟が「おれ“ひさゆき”と話した」と言い出しました。
ひさゆき。それがあの男の子の名前でした。
「どこで?」
「学校で」
ひさゆきは、あの猫たちは私たち姉弟の身代わりになった、といった。
本当は私たちが事故で死ぬ筈だった。
助けるにはなにか一番大切なものを壊さなければいけない、といった。
弟はそう話し、なにかすっかり“ひさゆき”が好きになってしまったようでした。
私はもう6年だったし、それが異常な話なのはわかりました。
学校を休みがちになったAさんを見かけ、無理やり話しかけました。
「あの子は本当は子供じゃないの?なんなの?」とかそんなことを。
すると、「ひさゆきは子供じゃない。ひさゆきはひさゆきで、私とも関係ない」と急に怒り出し、
私は突き飛ばされて叩かれて、喧嘩みたくなってしまって終わりました。
そしてそれから、今に至るまでAさんとは会っていない。
家族みんな引っ越したとか、精神病院にはいっているとか、不穏な噂が学年で流れ、
「ひさゆきに連れて行かれた」という、学校の七不思議みたいな感じになりました。
891 :885-6:2011/03/27(日) 02:27:45.26 ID:wF+rFQBE0
それでそのあとは、そんな話はすっかり忘れていました。
可愛そうな猫たちの事は時々思い出しましたが、今となっては本当に私たちの猫だったのかも不確かです。
ネットで『ひさゆき・ヒサルキ』の話題がチラチラしだし、昔の不気味な思い出が蘇りました。
最近になって母に、あのときの事を聞いてみました。
Aさんから何か話を聞いたのかとか。
母がAさんから聞いた話は、
ひさゆきはAさんの親戚とかではなく、暴力を振るわれている。
(どんな種類の暴力だったのかは、母の口ぶりで察しました)
心配した母は、学校に相談したり、Aさんの家庭に介入したりしたのですが、
何ら出来ることなく、Aさん一家はいなくなってしまったのだとか。
「あの子は、私たちには子供に見えていたけれど、お母さんは変だと思ったの?」
そう聞くと、
「どう見ても子供じゃなかったよ。体は非常に小柄だったけれど」
母にしてみれば、変質者とかその類に見えていたと。
ひさゆきが学校で話題になっていた頃、ひさゆきと遊んだ子はちょっと自慢。
一過性だったけど、半年くらい『ひさゆきブーム』みたいのがありました。
“クラシマヒサユキ”
それが私の知っていた子のフルネームでした。
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