【怖い話】赤ちゃんの泣き声が聞こえてきた

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死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?244より

381 :本当にあった怖い名無し:2010/07/07(水) 20:29:57 ID:KafhssaJ0
何年前だったかは今はもう覚えていません。
でも、当時はすごく暑くて扇風機つけっぱなしで寝ていたので、夏であることは確かだったと思います。
熱帯夜ってやつですね。暑いと本当眠れなくて…窓も開けっ放しで、ただ布団に寝転がって目を瞑っていました。
ふと、その日見たホラー番組の映像が頭に流れてきて、あぁ、何思い出してんだろ自分、なんて思ってました。
夏の夜って異様な雰囲気があるじゃないですか。だからかな、いつもより余計怖くなっちゃって。
とにかく目を瞑って、寝ることに集中したんです。
まぁ、当然意識して寝ようとすれば眠れませんよね。
それでも何も考えないようにして、ただ扇風機の音に耳を傾けていました。

そしたら突然、窓の外から赤ちゃんの泣き声が聞こえてきたんです。
夜泣きかな?なんて思いつつ、窓の外に目を向けました。
だけど、窓から見える家はどこも電気はついていない。
おかしいな。なんて思えば、気づいてしまったんです。
赤ちゃんの声は、窓の外から聞こえているのではないことに。
なんて言えばいいのでしょうか。耳元というより、脳内に響く感じって言えばいいのかな。
とにかく、窓の外ではなく中なんですね。もっと言ってしまえば、私にだけ聞こえている。みたいな。
心霊現象ってのにあったことのない私でしたが、これは危険だとすぐに分かりました。
だって、赤ちゃんの泣き声が窓の外からではないことに気づいてから、私の足元に重みがあったんですから。
丁度、赤ちゃんくらいの重みでした。

382 :本当にあった怖い名無し:2010/07/07(水) 20:31:04 ID:KafhssaJ0
気づいた時には体も動かない、扇風機の音も聞こえない。
あぁ、これはやばいな。
金縛りのように体が動かなくて、唯一の救いは目を瞑っていたことだけ。
こういう時って、謝ったらダメって言うじゃないですか。
だから、とりあえず「南無阿弥陀仏」って繰り返し唱えました。まぁ心の中でですが。
すると、赤ちゃんらしき重みが、徐々に顔の方へと上がってきたんです。
その時私は仰向けになっていたので、本当、上がってくるラインが一直線です。
顔まできたらどうしようとか、いつになったら消えるんだろとか、とにかく混乱しちゃって、
それでもひたすら「南無阿弥陀仏」って繰り返し唱えました。
すると、赤ちゃんらしき重みが、お腹の部分でピタリと止まりました。
あぁ、やっと消えるのか。そう思って、少し冷静になった時です。
ドンドン!ドンドン!そんな効果音でも聞こえそうなくらい、力強くお腹が叩かれ始めました。
もちろん赤ちゃんが出せる力ではないのです。本当、遠慮なしにお腹を何度も何度も殴られる感じです。
直接触れてはいないのに、痛みだけがあるような、そんな感じでした。
少しでも冷静になったのは本当に一瞬で、
お腹を叩かれ始めてから恐怖で混乱しちゃって、とにかくどうしたらいいのか分からなくて、
それでもお腹を叩く行為は続きました。

しばらくすると、赤ちゃんの泣き声が徐々に大きくなっていたことに気づきました。
お腹を叩く強さに比例して、泣き声も大きくなっていくのです。
もう本当どうしたらいいのか分からなくて、
ただただ、私は何もできないの!早く消えて!って何度も何度も思いました。

どれくらいそれが続いたのでしょうか…。
もうその時は必死で、ただこれが早く終わることを願い続けました。
すると、それが届いたのでしょうか。
赤ちゃんの重み、泣き声、お腹を叩く行為、全てが一瞬で消えたのです。

呆然としていると、聞きなれた扇風機の音と、窓の外からは自然の音。
とりあえず現実かと頬をつねったのも、いい思い出です。

383 :本当にあった怖い名無し:2010/07/07(水) 20:31:50 ID:KafhssaJ0
後日、友人にこの話をしました。
誰かに聞いて貰いたかったってのもあったと思います。
すると友人が真剣な顔で、
「アンタの家族でさ、誰か子供流してたり、おろしてたりしてない?」なんて言ってきました。
はっきり言って驚きました。
友人には言っていませんでしたが、私の親と姉が子供を流す&おろすの経験があったのです。
もちろん、親も姉もその時はすごく悲しんだらしいです。
「何で知ってるの?」
「いや、知ってるって言うか…多分その水子だと思うよ」
それを聞いたとき、怖いなんて思った自分を悔やみました。
きっと勝手な都合で生むことを余儀なくされた赤ちゃんが、遊び(?)に来たのでしょう。
それを、私は怖いなんて思ったのです。
「きっと寂しかったんだろうね。生んで貰えなかったことがさ」
「うん…、そうだね」
友人がそう言った言葉に、私は素直に頷きました。
だけど、友人はこう言葉を続けたのです。
「それか、アンタに生んで貰おうと、中に入りたかったんじゃない?」

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