死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?105より
105 :1/2:2005/07/29(金) 15:01:41 ID:4MYEgAg90
俺、昔犬を飼ってたんだ。
名前はチュリって言う雑種なんだけど。
賢い犬で、まだ小さかった俺のお守りをしていてくれたらしい。
両親は共働きで、小学校1年のときから鍵っ子だった。
家にはチュリがいたから、寂しくはなかったんだ。
そんなチュリも、俺が小5のときに死んでしまったんだ。
俺はもう悲しくて悲しくて、それが元でちょっと体調を崩してしまったんだ。
熱を39度くらい出てしまって脱水症状を起こして、病院に短期入院した。
そこの病院が、幽霊がよく出るって言う噂の悪名高い病院で、俺は嫌だった。
でも、仕方なくそこに入院したんだ。
その夜、案の定幽霊に遭遇。
出た幽霊は、16歳くらいの男の幽霊だった。
メガネかけてて坊主で、目の辺りが窪んでて、気味が悪い幽霊だった。
そいつは俺の横に立って、壁に向かってぶつぶつ言ってんだよ。
もう怖くて怖くて、布団を頭からかぶってぶるぶる震えてたんだ。
ふっ、とそいつの気配がなくなったと思って、恐る恐る布団から頭を出すと、
坊主頭の幽霊の変わりに、今度は着物着た女が、ドアの隙間から俺のほうをジーっと見てんだよ。
俺はもう怖くてどうしようもなかった時に、ふとチュリに助けを求めてみた。
106 :2/2:2005/07/29(金) 15:21:10 ID:4MYEgAg90
「チュリ助けてくれー」って。
そうしたら、さっきの坊主頭の声が聞こえてきたんだ。
今度ははっきり聞こえた。
「塾に行かなきゃ、塾に行かなきゃ」
俺は、塾にでもどこでも行けよーと思いつつ、相変わらずチュリの名前を呼び続けた。
そしたら、窓の外で犬の遠吠えが聞こえたんだ。
近いような遠いような場所から、ワォー!ウォー!ってな感じで。
そしたら、坊主頭の幽霊が「ちっ!」って舌打ちしたと思ったら、気配が消えた。
そして次の瞬間、部屋のドアがバンッ!て閉まる音がしたんだ。
ものすごい勢いで閉まる音だった。結構な範囲に聞こえるくらいの音だった。
そしたら看護婦さんが来て、「どうしたの?」って聞いてきたから、今までの経緯を話した。
そしたら、「やっぱり出たのね・・・」って言って、「首とか絞められなかった?」と聞いてきた。
それはないと言うと、その坊主頭の幽霊は、よく人の首を絞めようとするらしい。
多分、チュリが助けてくれたんじゃねーのかなって思う。
犬の遠吠えって、結構な力を持つらしいから。
ありがとうな、チュリ。
108 :追記:2005/07/29(金) 15:33:17 ID:4MYEgAg90
あのあと母ちゃんから聞いたのだが、
俺が入院して幽霊と遭遇している夜に、犬の遠吠えが、チュリを埋めた場所からしたらしいんだ。
そしたら、それに反応してほかの犬も遠吠えを始めたらしい。
それから数ヶ月後、父ちゃんが新しい雑種犬を拾ってきた。
そいつは散歩の途中に、でかいシベリアンハスキーから俺を身を挺して守ってくれた猛者だ。
ぜんぜんチュリには似ていない犬だが頼もしいやつさ。
俺は犬運に恵まれている。
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