死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?293より
23 :本当にあった怖い名無し:2012/04/21(土) 22:19:17.11 ID:HVtSpQnT0
初めて変な経験をしたのが4,5歳。もう30年以上前の話をしてみる。
父親は離婚のためいなくて、6畳一間のアパートに母親と二人暮しだった。
風呂がなく、毎晩近所の銭湯に行ってた。
いつもの通る道には、その町では割と有名な大きな柳の木がある。
ある日の帰り、その木の根元に、白装束の女の人が立っていた。
じっと俺のほうを見ているのだが、怖いとかそういう気持ちはなかった。
母親が突然俺の手を握って、「俺君、走って帰ろうか」と突然走り出した。
俺の記憶はそこまで。
最近になって母親にその話をした。
「多分俺には幽霊が見えてたんだわ」と話すと、母親は顔が真顔になった。
そのときの出来事は、母親にも鮮明に残ってたようだ。というか、リアルタイムで現在も苦しめられてると。
あの時、走ってアパートに戻ったのだが、
ドアを開けて中に入ったら、電気のついてない部屋の中に、柳の木の下に居た白装束の女が待ち構えていたのだ。
柳の木の下に立っていた白装束の女は、母親にも見えていたらしいのだが、
この世の者ではないことが即座にわかったらしく、走って帰ったらしかった。
部屋の中の白装束の女を見た途端、母親は気を失った。
その間の俺は、近くに祖母が住んでいたので、祖母の家に行ったらしく、「ママ死んだ!」って祖母に伝えたらしい。
そして慌てて祖母は、学生だった叔母に俺を託し、アパートへ走った。
母親はアパートには姿がなかったらしく、2週間後の3月20日に帰ってきたらしい。
母親と祖母は色々とその間のことを話したらしいのだが、祖母から強烈な話を聞かされることになる。
424 :本当にあった怖い名無し:2012/04/21(土) 22:21:17.79 ID:HVtSpQnT0
祖母が10歳にも満たない頃、同じ柳の木の下で白装束の女を見ていた。
しかもその女は走って追いかけてくるので、ひたすら走って逃げ回ったと。
川を泳いで渡り、山の中を走り、やっと姿が見えなくなって家に戻ったら、2週間が経過していたらしい。
祖母は2,3時間くらいの感覚だったらしいし、その間食事どころか排泄さえもしていない。
母親がいなくなって2週間、母親もまったく同じ体験をしていたようだ。
母親はそれから毎月20日の未明に、必ず白装束の女に追いかけられる夢を見ることとなった。
祖母も昔の経験以来、毎月20日に必ず同じ夢を見ていたのだが、
母親がその夢を見て以来、ぱったりと見なくなってしまったらしい。
母親はその後再婚して、俺と一緒に住んでる土地もはるか遠くに移ってしまった。
祖母は15年前くらいに死んだので実家はなくなったが、墓だけはあるので、1,2年に1回は墓参りに行く。
今年も3月末に、女房と6歳になる娘を連れて墓参りに行った。母親は体調が悪いとのことで、一緒には行かなかった。
そのときに、気持ち的にはできるだけあの柳の木を見たくないと思っていたが、どうしても通ることになった。
俺はなるべく視界に柳の木を入れないようにしていた。
柳を木を通り過ぎたところで、後部座席に乗る娘が言った。
「あの女の人何してるんかね。あんな白い薄い服を着て寒くないのかな」
俺は「え?」とバックミラーを見たら、ちょうど柳の木が見えていた。
しかし、俺の目には何も見えない。
娘はさらに言う。
「わぁ。走って追いかけてくるよ~あぶなーい」
425 :本当にあった怖い名無し:2012/04/21(土) 22:24:19.09 ID:HVtSpQnT0
俺はアクセルを踏み込み速度を上げた。
女房が「誰もいないよ?娘ちゃん何言ってるの~」と言うと、「もういないよ~」と娘。
すごく嫌な予感がしたのだが、娘は行方不明にするわけにはいかない。
祖母や母親のときとは状況が違うから何もない、大丈夫、と言い聞かせた。
そして今朝のことだ。
寝ていた俺の携帯が鳴って目が覚めた。
母親からだ。母親は興奮気味に言う。
『今日は夢見の日だから、覚悟して寝たのだけど、夢は見なかったのよ。
ただね・・・、あの女が何なのか少しだけわかったのよ』
聞くと、女は血縁のある者らしい。いわゆるご先祖様というのかな。
ひどく苦しい目に合わされたようで、姉に恨み言を言いながら絶命したらしい。
根拠は何もないが、そういうイメージが頭に浮かんだらしい。
『夢を見なかったからだけど、嫁ちゃんや孫ちゃんが心配。どうも女が気にいらないようだから。
嫁ちゃんは大丈夫?孫ちゃんは?なにも変わり事ない?』
「あるわけないだろ!」と電話を切った。
そして体を起こしてコーヒーを飲んでいたら、娘が泣きながら起きてきた。
女房があやしながら「どうしたの~?怖い夢でも見たのかな」と言うと、
「白い服来た女の人が追いかけてきて怖かったの~」と泣きじゃくった。
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