死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?15より
601 :あなたのうしろに名無しさんが・・・:02/07/28 00:04
10年ほど前の話です。
当時学生だった私は、友人とドライブに出かけました。
昼間にもかかわらず、「横須賀の心霊スポットを見に行こう」というものでした。
場所は、ご存知の方はマニアと呼ばれる『旧*部倉トンネル』。
当時、横浜・横須賀道路は開通していたものの、完全竣工までは至っておりませんでした。
車ではトンネル跡までたどり着けなかったため、車を降りて徒歩で坂を登っていった記憶があります。
トンネル跡まであと少しという所で、私と友人はほぼ同時に急にある方向を見つめました。
何故って?それは得体の知れない臭いが漂ってきたからです。
何かが腐って強烈な臭いを発している様な・・・
ここで帰ればよかったのですが、
余計な好奇心が後に最悪の事態を招く事を、当時のバカ2人組は全く予測しておりませんでした。
606 :601続き:02/07/28 01:21
さて、無用心にも臭いのする方へ近づいていったバカ2人組。
あまりの臭いに、「もう止めるか。こりゃ」と思っていたところ、6~7m先に黒い物がある事に気がついた。
「なんだありゃあ?しっかし、くせーなぁ。何かの死骸か?」
あたりは背の低い草むらで、(10~15cm位の草が生えていた)
私が事もあろうにズカズカと近づいたところ、
「ブオオオオオオオォォォォォォンンンンン!!」と、ものすごい音が。
「!」「?」
何と、無数のハエが飛び立ったのであった。
今まで生きてきて、『蚊柱』は何度も見たことがあるが、
『ハエ柱』にお目にかかったのはこれが初めてで、かつ、これ以後ない。
かなりおっかなびっくりになった2人組にさらに追い討ちが!!
「おい・・・これ・・・人の形してねぇか」
「なぬ??ンゲェェェェェェェ!!」
皆さん。焼死体なるものを見た事がありますか?
当然、私は初めてでした。
607 :601続き2:02/07/28 01:35
まともに死体と目が合ってしまった。
一目散に逃げようとしたその時、友人が「四方八方に何か散らばってるが、ありゃ何だ??」。
「何、のん気な事言ってんだよ。アホ!」と私。
が、足元を見れば、確かに何かを細かく切り刻んだものが散らばっていた。
紙のような物もあれば、薄いプラスチックのような物もあった。
比較的大きな破片もあったので、適当に拾い、御遺体から離れて並べてみると、何かの絵?女の子みたいな。
その間、友人は近くの公衆電話へ一目散。当然110番通報。
戻ってきて言うなり、
「(警察が)着くまでここにいてくれってさ」
「・・・マジかよ」
このときは本当に鬱になった。
ふと、白い紙切れが近くにある事に気が付いた。私達から向かって右数m先の所に。
「現状維持なんじゃねーのか??」と言う友人の声を無視し、私は紙切れを拾った。
608 :601続き3:02/07/28 01:51
その紙切れにはこう書いてあった。
『ノロウ。ノロウ。コノヨノスベテヲノロウ。ワガウラミ、トワニハツルコトナシ。』
私は寒毛立った。これ、遺書じゃねーの??
恐る恐る御遺体の方へ目を向けてみると、何と、顔がこっちの方に向いてるじゃあ~りませんか・・・・(T_T)
頭髪は燃え尽き全身黒こげ。口の一部は腐ったのかハエに食われたのか、一部骨が露出している様にも見えた。
ここまでひどく焼けてるとなると、ガソリンかぶったみたいだな・・・(実は当時、私は科学を専攻していた院生でした)
もともと生物の肉体は、そう簡単には燃えない。
総体重の半分は水分なのだから、
全身黒こげとなると、相当量の可燃性物質を浴びてから、自らに火を放ったとしか考え付かなかった。
そうこうしている内に警察が到着。初めて事情徴収を受けましたです。はい。
担当のおまわりさんが、「とんだもの見つけちゃったねぇ」と苦笑いしながら私に言った。
私は「はぁ・・・」としか返答のしようがなかった。
609 :601続き4:02/07/28 02:00
おまわりさんが「手に持っている紙切れは何?」と聞いてきたので、
「近くで拾いました。遺書みたいです」と答え、私は紙切れを渡した。
この時、私は妙に冷静だった事を覚えている。
ちなみに友人はガクガクブルブルで、事情を聞ける状態ではなかったそうな。そりゃ普通はそうだ。
「その細かい物は何かな?」と、別のおまわりさんに聞かれたので、
「御遺体の周囲に散らばってます。適当に集めてみたら、何かの絵みたいなんですよねぇ・・・」
何故か私はこの絵に何か見覚えがあった。
実はこの絵が更なる戦慄を私にもたらす事になるとは、その時は夢にも思っていなかった。
612 :601続き5:02/07/28 02:29
友人は車を運転できる状況ではなかったので、私が運転して帰途についた。
家に戻り両親に事情を話した所、見事に沈黙された。
食欲など全くわかなかったので早々に寝ることにしたのだが、その時に私は思い出した。
「あの絵・・・確か、ミンキーモモっていうアニメーションじゃなかったか?」
正直言って私はアニメには興味がない。
が、予備校時代の知り合いに変わった奴がいて、
そいつがミンキーモモ好きで、当時いろいろなグッズを予備校内で持ち歩いていたので、思い出したのだ。
真性ロリコンで医学部志望。
「ちっちゃい子が大好きだから、小児科医になりたい」等とほざく、私が人の親ならば絶対医者にはさせたくない奴であった。
といっても、成績は理学部志望の私より悪かったので、「まず、医者は無理だろうなぁ・・・」とは思っていた。
「そういやあいつ、どうしているんだろう・・・まさかなぁ・・・」
しばらく経って、同じ大学の予備校以来の友人が、私の所属する研究室にやって来た。
「時間ある?」
「ああ、いいけど・・・珍しいなぁ。何?」
「***が横須賀で、焼身自殺したらしいんだよ。
1週間ほど行方が分からなくなっていて、親御さん、捜索願出してたらしいよ。
それもさぁ・・・自分の周りにミンキーモモグッズ切り刻んで、ばら撒いたらしくてさぁ」
私は自分の血がみるみる引いていくのを覚えた。
「どうしたんだよ??おい!」
「それ・・・見つけたの。俺だ・・・」
絶句する友人。
これ以上、会話の必要はなかった・・・
4浪の末、受験したすべての大学の入学試験にPASS出来ず・・・という事だった。
覚悟の上の自殺だったのだろう。
奴は私に見つけて欲しかったのだろうか?
とにかく、未だにミンキーモモの絵を時たま目にしてしまうと、
当時の『ハエの羽音』と『焼け焦げた顔』がフラッシュバックする事がある。
私の数少ない恐怖体験であり、トラウマでもある。
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