死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?284より
388 :1/3:2011/11/24(木) 01:16:08.08 ID:KkunFawc0
うるさい子供と母親の話を投稿した者だけどもう一つ。
今年の夏、友達二人と一緒に海に行った。
一人はプロレスラーのアブドーラ・ザ・ブッチャー激似の男。もう一人はイケメンだけどニートの男。
帰りは俺が車を運転してたんだけど、何故か心霊スポットに行こうという話になった。
ちょうど帰りの道すがらに一軒ある。
しかもそこが超有名というか、逆に知らない方がヤバくない?というぐらいの最恐激ヤバスポット。
正直気が乗らなかったけど、ビビリだと思われるのも嫌なんで俺は渋々向かった。
そこは海岸沿いの森を抜けた先にある廃ホテルなんだけど、もう着いたそばから雰囲気が違った。
想像してみてほしい。
時刻はちょうど6時を回った夕暮れ時。
薄暗い森の先にある巨大な廃屋。
正門にはニメートル以上ある巨大な分厚いコンクリート壁が置かれ、さらに有刺鉄線で囲まれている。
そこに立てられた錆びだらけ看板には『住居不法侵入は犯罪です』と書かれ、
廃屋の屋上には暴走族が書いたのか、
『オレはここで●EXした!』という意味の分からない自己主張が、夕陽で煌々と照らされていた。
俺には霊感が無いので幽霊が出るかどうかわかんないけど、ここで出なきゃどこで出るんだよ!と思った。
友達二人もすっかり雰囲気に呑まれ、イケメンにいたっては震えながら「オ、オウヨ・・・」と呟く始末。
しかし、ここまで来て引き返すのも勿体無いと思った俺は、車にあった自転車用のライトを装備し先陣を切った。
元ホテルだけあって建物の内部は結構複雑だった。
廃墟らしくガランとした廊下に複数の部屋。
そして壁のいたるところに落書きがされていて、それがまた恐怖を煽る。
先頭の俺が状況説明をして、後ろのイケメンが「オウヨ・・・」と返事をする。
最後尾のブッチャーは場を和ませようとしているのか、ことあるごとに「あずにゃんペロペロ」と呟いていた。
389 :2/3:2011/11/24(木) 01:25:44.35 ID:c3kqzk9M0
そして奥にある大部屋らしきところに出た時、それは起こった。
「ここはなんもないなー」と喋りながら俺がライトを照らすと、奥にある扉がキィー・・・とひとりでに開いた。
え?なにそれ・・・・?
時間にして数秒だけど、俺は硬直してパニックになった。
どうやら後ろの二人は見えてなかったようで、後ろから声を掛けてきた。
心臓がバクバクいって声を出せずにいると、突然ブッチャーが叫んだ。
「ぬほぁあああああ!!!!」と奇声を上げて元来た道を走りだしたのだ。
その声を聞いた瞬間に俺も『逃げなきゃ!』と正気を取り戻し、イケメンを突き飛ばして逃走した。
すっかり日が落ちて真っ暗になった廃屋をブッチャーがダッシュする。
俺も無我夢中でその背中を追った。
背後からはイケメンのバタバタバタ!という足音が聞こえる。
俺たちは必死に走り、なんとか外まで出ることが出来た。
ゼェゼェ息をしながら俺はブッチャーに聞いた。
「おっ、おま、お前なんだよ急に叫んで・・・」
「見えなかったのか!?」
「は、はぁ・・・?」
「奥の部屋から人の形した変なの出てきたじゃん!」
「・・・マジかよ」
「マジだよ!やべーよ!イケメン置いてきちゃったじゃん!」
「えっ!?」
振り返るとイケメンがいない。
「えぇええ!あいつなんでいないんだよ!」
「あの部屋に置いてきたんだよ!」
「違う違う!途中まで俺たちのあと追って来てたって!」
「じゃあなんでいないんだよ!」
俺たちはパニックになりその場で口論していると、廃屋の中からこちらに向かって走ってくる人影が見えた。
390 :3/3:2011/11/24(木) 01:26:42.89 ID:c3kqzk9M0
「貴様らぁあああああ!!!」
イケメンだった。
イケメンは走ってくるなり憤怒の形相で俺たちに掴みかかった。
「貴様ら俺をハメやがったなぁー!!」
あまりの恐怖で頭がおかしくなったのかと思ったが、どうも違うらしい。
とりあえず俺たちは車を出して近くのコンビニまで避難して、そこでイケメンから話を聞いた。
俺とブッチャーがあの部屋から逃げ出した後、イケメンはそこに取り残されたらしい。
暗闇の中手探りで部屋から出ようとしたその時、後ろから誰かに突き飛ばされた。
そして地面に転ばされたあとに、何度も蹴られ暴行を受けたと言う。
「えっ、お前らじゃないの?」
「違う違う!」
「じゃあ誰だよ」
「こっちが聞きてーよ!」
「マジかよ・・・てっきりお前らがハメたのかと思ってたわ・・・」
イケメンはそう呟いたきり黙ってしまった。
そこから話を整理して出た問題点。
・俺は扉が勝手に開いたのしか見てないけど、ブッチャーはそこから出てきた人っぽいなにかを見ていた。
・その人っぽいのは複数いたらしい。
・イケメンに暴行したのはそいつら?
・俺の背後の足音はイケメンのじゃなくて、そいつらが追って来てた音?
・心霊的な存在だとしたら、物理的に蹴るとか出来るの?
・人間だとしても俺には見えなかったよ。
とりあえず俺たちの中で出た結論が、「もう二度とあそこには行かないようにしようぜ」ということでした。
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