死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?305より
779 :本当にあった怖い名無し:2012/11/14(水) 14:36:06.07 ID:0zfPSvxQ0
そういえば、5年くらい前に昼過ぎの空いた電車に乗っていたら、
それまでカバンを抱えて座っていた40代後半くらいのおっさんが、停車駅でもないのに急に立ち上がった。
おっさんは額から頭頂部まで禿げ上がっていて、
身長はかなり高く、痩せ気味ではあるものの骨格が太く、いい体格だった。
おっさんは目を半眼のようにして、直立不動で何やら軍歌のようなものを大声で歌い始めた。
歌い終わってから、
「みなさん聞かれたことがあるかもしれませんが、今のはPL学園校歌です。
私は在学時野球部で5番を打っていました。惜しくも甲子園には行けませんでしたが。
・・・私は昨日付けで会社をクビになりました。
なりましたが・・・しかしめげませんよ。
野球部時代を思い出してこれからも頑張ります」
と言って座った。
最後の方の声はややかすれがちだった。
まばらだった他の乗客はあっけにとられていたが、
小さい声で「そうか、ガンバレよ」と言った人が一人いた。
781 :本当にあった怖い名無し:2012/11/14(水) 16:07:23.79 ID:0zfPSvxQ0
それで、このおっさんの態度が印象に残ってたんで、会社の飲み会の2次会で居酒屋に行ったときに皆に話したんだよ。
そうしたらみなちょっとシュンとなって、この景気じゃ人ごとじゃないよな、みたいな雰囲気になった。
そしたら、居酒屋のついたての向こうにいたタイガース帽のおやじが話を聞きつけて、
顔をのぞかせ「それ、阪急宝塚線だろ」と聞いてきた。
「そうだ」と言うと、おやじは、
「それ幽霊だぞ。しかも嘘つきの幽霊だ。
会社を首になったのは何年も前だし、そのすぐ後に首を吊って死んでる。
年に数回出るから、あの沿線じゃちょっと有名だよ」
と言うんで、
「幽霊とは思えなかったな。生きた人にしか見えなかったよ。
それで、嘘つきってどういうことだい」
と聞くと、おやじは、
「最初に出たときは、PLの8番バッターと言ってたんだよ。それがだんだん打順が上がってきた。
人間死んでからまでも見栄をはりたいんかねえ。
次は4番バッターになってるだろうよ」
と言った。
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