死ぬ程洒落にならない怖い話を集めてみない?40より
369 :ロールシャッハ(1/1):03/06/05 13:56
自分の隣のアパートには自殺物件があります。
かくいう仏さんを第一に発見したのは俺と母なんですが、ベランダから下の階に首吊りでした。
双眼鏡でしっかり見てしまったので間違いありませんし、見てしまったのを後悔しています。
首がぐにゃりと曲がって青紫色に変色した彼女(女性でした)は、朝一番に視界に入った最悪なものでした。
まだ息があったらしく、時折びくりびくりと痙攣してました。
その度にロープとベランダの柵が、ぎしぎし音をたててるようで気味悪く、速攻Kへ電話したのを覚えてます。
話は、そんな彼女が死を選ぶ前日から始まっていました。
370 :ロールシャッハ(1/2):03/06/05 14:05
前日、会社が休みだったので自宅近辺をぶらりぶらりしてると、
中年の女性が(仏さまになった彼女)二階の部屋からゴミ置き場へ、
必死の形相で、布団やら、ラジカセやら、カセットコンロやらを出しているのが目に止まりました。
もう部屋にあるものは、不燃可燃粗大ゴミ構わず出しているようだったのです。
鏡台や食器、化粧品。冷蔵庫の中身から、なんでもありでした。
挙げ句の果てには、畳や絨毯まで出し始める始末。
おいおい、いくらなんでもそりゃないだろう?と、さすがに声をかけましたが、
「いいんです。奇麗にしなくてはいけないんです」と、弱々しく彼女は答えました。
そうこうしている内に、近所で有名な一階に住むアル中の親爺が登場して、訳の分からん説教をしてましたが、
彼女は聞いてないか聞こえないようでした。
372 :ロールシャッハ(1/3):03/06/05 14:14
「すみません」と口では言いながら、やはり家財道具をゴミ置き場に運びます。
テレビ、コンポ、傘たくさん、掃除機etc。
出るわ出るわ、およそ家財道具が全て運び出されたあたりで、アル中親爺が呆れたのか、
「これもらってもいいか?おいねぇちゃん?!」と、今考えるととんでもない事を口走りました。
「どうぞ」と言われて、親爺はコンポと絨毯、掃除機を自分の家に持って帰りました。
「あなた方も何かいりますか?」と弱々しく俺ら野次馬に言いましたが、
恐いのと電波チックなものを感じていたであろう数名は、無言で自宅へ帰路を進めたように覚えてます。
その翌日、彼女はこの世を最悪のやり方で去りました。
彼女の酬いは、アル中親爺に降り掛かりました。
373 :ロールシャッハ(1/3):03/06/05 14:23
忌ま忌ましい出来事から一か月程経ってから、アル中親爺がおかしくなりました。
普段はアル中らしく、独り言、絶叫、飲酒か、野球に大声で突っ込みを入れるだけの、うるさい親爺でしたが、様子が変です。
アル中の戯言が、ひどく生々しい戯言に聞こえはじめました。
「なんでお前がここにいるんだ!バカやろう!!次はぶっ殺すぞ!!!」
「帰れっていってんだろう!じゃなかったら酒飲め!!」
「すんません。もうすんません!」
また、親爺も一応働いて留守のはずの隣室から、ぼそぼそ声がした事もありました。
日増しに暴言、空暴力、異常行動は凄惨を極めました。
壁を蹴飛ばす、サッシを割る(結構力いります)、非常ベルを鳴らす。
挙げ句の果てにKに泣きついたりしてました。
どうも、もう一人住人が増えて、そいつが帰らない旨を、Kにろれつが回らない舌で訴えてるようでした。
374 :ロールシャッハ(1/4):03/06/05 14:35
無論Kは酔っ払いの戯言には耳を貸さず、その場を納めるだけでしたが、
夜中に最大3台PCが来た時は、尋常じゃないな?と俺も思いました。
アル中親爺の一人恐怖(?)はエスカレートしてゆきました。
不思議なのは、独り者の親爺なのに、(無論友人知人は寄り付かない)
誰かを蹴るような音がしたり、壁にぶつけるような音がしたりしていたのが不思議です。
そのたびに、女性の声で「うううううう」とか、「堪忍して下さい」とか聞こえてました。
ある日、ピークに達したのでしょう。
親爺は黒ブリーフ一枚でアパートから飛び出し、うろうろしてたのを補導されました。
その後、絨毯は刻まれ、コンポと掃除機には粗大ゴミの札が貼られて、捨てられていました。
親爺は酒も飲まなくなったようで、無口になり、痩せたように思います。
ひっそりと人を避けるようにしてるようです。
時折、仏壇の鐘を鳴らす音が聞こえるようになりました。
別人になってしまった親爺を、家人は「年取ったなぁ」と言ってますが、俺は違うと感じてます。
絶対何か、向こう側の事件があったのだと・・・。
375 :ロールシャッハ(1/4):03/06/05 14:37
教訓:いらないからといって、無闇に人から物を貰うのはやめましょう。
その物には、何があるか分かったもんじゃありません。
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