後味の悪い話 その36より
117 :本当にあった怖い名無し:2005/11/01(火) 09:08:26 ID:W3NLICou0
高校時代、クラスに障害のある子がいた。
その子は転倒したときのために、ラグビー選手がつけてるような頭部保護ベルトをいつもつけていた。
ラグビー選手のような姿と、少し歪んだ顔、真っ白な肌は嫌でも目だった。
でも知能は正常だし常識もある、しゃべり方もどもるけど聞き取れる。
ただ少しワガママというか、卑屈かなと思うことはよくあった。
ある日、彼がベルトをはずして登校してきた。
歩き方はシャキシャキしてるし、一度も転んだとこをと見たことがなかったので、
「ああ、あれいらなくなったんだな。そのほうが目立たなくていいじゃん」と思った。
が、別に転んだわけでもないのに、次の日またベルトをつけてきた。
「やっぱり怖かったんだな」と気にもしていなかったが、
何故かその日から彼のワガママが酷くなり、周りが引くようになった。
「俺は障害があってできないから、みんなもっと親切にしろよ」みたいな。
自分も引いた。そんな子じゃなかったのに。
そのまま彼は周りから距離をとられたまま卒業し、その後のことは知らない。
でも先日新聞で見た記事に、
『障害者にとって、自分を障害者だと回りに知らせるアイテムは、周りに“特別扱い”を要求できるものでもある。
だから障害が軽くなってそのアイテムがいらなくなったとき、それをはずすと、
逆に周りから「もう障害者じゃないから助けなくていいね」と見捨てられるような感覚に陥る。
だから好奇の目で見られることになっても、それを捨てるのは大変勇気がいる。』
というのが載っていて、そういうことだったのかなぁと。
119 :本当にあった怖い名無し:2005/11/01(火) 09:59:21 ID:PvT2Fklh0
私の知り合いには、その『障害者と知らせるアイテム』を持つ勇気がどうしても持てなくて、引きこもっちゃってた人がいた。
その人、昔は少しは見えてたらしいんだけど、今は殆ど目が見えなくなってるのね。
なのに、自分が見えないって事が認められなくて、絶対白杖を持とうとしないの。
でも、見えてもないのに杖もないから、転んだり、まともに正面から物にぶつかったりして、しょっちゅう怪我するんだよ。
当然、周囲は白杖を持つように言うんだけど、
「そんなの持ってたら目が見えないみたいに思われる」って・・・実際、見えてないのに。
弱視だった頃に、完全に見えない人達と交流する間に、
「自分は少しは見えてる。この人達とは違う」ってプライドが育っちゃったらしい。
元々、頑固ではあったけど、思うようにならない自分にイライラするのか、年々気難しくて扱いにくい人になってるみたい。
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