ホラー

俺にはちょっと変な趣味があった。 その趣味って言うのが、夜中になると家の屋上に出て、そこから双眼鏡で自分の住んでいる街を観察すること。 いつもとは違う静まり返った街を観察するのが楽しい。

俺は東北の農家の倅なんだが、東京の大学を目指して勉強した。そりゃもう必死で勉強したよ。そしていざ、受験。一人で東京に出てきたのも初めてだった。目指すは早稲田、慶応。

「ぽぽ、ぽぽっぽ、ぽ、ぽっ…」 と、変な音が聞こえてきた。機械的な音じゃなくて、人が発してるような感じがした。それも、濁音とも半濁音とも、どちらにも取れるような感じだった。

そいで、いつから来だしたのか分からないのだけれど、庭によく猫がやってきてた。 １匹とかじゃなく何種類も。ブチだったり三毛だったり。 おばあちゃんが日向ぼっこをしている時に餌をやってんの。

その友人にはまだ十代の妹がいた。 妹は高校中退した後、ふとしたきっかけでホスト遊びにはまり、ちょっとした借金ができたそうだ。 そしてお決まりのコースよろしく、相手のホストから闇金を紹介され、風俗勤めすることになった。

暇になった俺達は、誰とも無く「じゃあ、肝試しでもやんねー？」って話になって、山の上にある廃墟と化した別荘に行こう、という話になった。

相変わらず蒸し暑いなぁなどと思いながら、干潟を向いて煙草を吸っていると、なんか背後から視線を感じる気が。振り返ると小学校。時間も時間だし、当然誰もいない。

ある夜、祖母が病室のベットで横になっていると、突然窓が開き、猫くらいの大きさの得体の知れないサルのよう真っ黒な生き物（？）が入ってきて、「ギェーギェー」と鳴きながら、祖母の寝てるベットの上に乗ってきたそうです。

ある日、中学の時の同級生から電話があった。『一昨日Ｔが交通事故で死んだけど、一緒に葬式に行かないか』中学を卒業して五年。

杉さんという、もう亡くなった保険会社の人の話なんだが。 自分、杉さんと呪いを掛け合ってしまい、自分だけが生き残ったんだ。 自分→保険会社のバイト（最低賃金で正社員総合職以上のノルマの地方在住の田舎もん）。杉さん→田舎の営業所の所長。